

この油絵は、昭和50年台初頭に店主の父が描いたものです。
当時家族が住んでいた建物は、戦後復興の最盛期に
水島コンビナートが誘致されて間もない頃に建てられた
と思われ、増築を繰り返し酷く老朽化した平屋の賃貸木造でした。
すぐ裏手には水島臨海鉄道があり、夜になるとコンビナートからの貨車を
連結したり切り離したりといった、独特の槌音が響いていました。
その借屋の三畳間で白熱球の下、父が描いたこの作品。
専門家にいわせれば、どうってことのない只の油絵なのかもしれません。
しかし『アートペイント』 の屋号を持つ当店にとって、この絵は非常に深い因縁があるのです。
なんの制約にも縛られない、絵画(アート)として構図された当時の塗装用具。
この絵を見るにつけ、あたかも絵を描 いている時のような、
”時間を置き去り、集中のあまりに舌がこぼれ落ちてしまう”ような心境を
、
現在私の携わる建築塗装の分野において強烈にリンクしてしまうのです。
私が小学4年生の頃だったでしょうか。図画工作の時間に静物画を
描かされるのですが、
あわせて2回の授業時間内にどうしても
完成させることができませんでした。チャイムの鳴る3分前にもなると、
気持ちが焦るのかオシッコに走りたくなってしまいました。
この時初めて、 “不条理”という感覚を憶えたような気がします。
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